グフムフ王国物語1 グフムフ王国の会議 ― 2022年04月15日 16:53
架空の「グフムフ王国」のお話しです。読み聞かせを前提にしているので、お子さんには難しい漢字が出てきます。ご容赦ください。出来ることなら、時間を作って読み聞かせてあげてください。
グフムフ王国物語 1
グフムフ王国の会議
グフムフ王国のグフムフ三世は、朝の散歩から帰ると、独り言をつぶやきました。
「お隣のムフムフ王国では、なんでも会議というものがあるらしい。以前には、フムフム共和国でも会議が盛んだと聞いたような気がする。」
それを、一等書記官のソンタが耳にしました。
「ははん、王様は会議をしたいのだな。」
そこでソンタは、さっそくある文書を作成しました。その文書には、次のように書かれていました。
王 命
一週間後に会議を開く。準備をするように。
グフムフ三世
グフムフ三年三月三日
この文書を受け取ったそれぞれの大臣とお役所は、大変な騒ぎになりました。なにしろ、王様が命令を出すなんてことは、前代未聞のことなのですから。
まして、王命文書なんてもの、グフムフ王国開闢(はじまって)以来初めてのことです。
だいたい、大臣やお役所の仕事というのは、お昼寝とおやつの心配だけだったのですから。国民は、王様も大臣もいなくて平気。お役所に行くこともありませんし、お役所がどこにあるのかさえ知りませんでした。すべての人が、平和に楽しく暮らしていたのですから。もっとも、それもこれもグフムフ王のおかげなのですかね。
文書はまず、大臣の中で一番偉い“一番大臣”と、一番役所に届けられました。
一番大臣は、一番役所の役人たちに言いました。
「君たち、知っての通り、王様は会議を開きたいそうだ。何の会議を開くか、君たちで会議を開いて決めてくれたまえ。」
一番役所の役人たちは、額を寄せて話し合いました。話はなかなかまとまらず、もうとうに期限の一週間は過ぎてしまいました。そこで、一番若い男の子が言いました。
「二番役所に、王様ご命令の会議をどうするか決めさせればいいじゃないですか。」
「なるほど、それはいい考えだ。」
さっそく王命文書は、一番役所で話し合ったことを細かく記録した文書を付録にして、二番役所へ回されました。
二番役所では、二番大臣が頭を抱えていました。そして、二番役所の役人たちに向かって、
「おい君たち、知っての通り、王様は会議を開きたいそうだ。何の会議を開くか、君たちで会議を開いて決めてくれたまえ。」と、言いつけました。
賢い読者の皆さんは、もうお分かりですね。こうして、王命は三番役所、四番役所とずうっと回っていき、その都度付録の文書が驚くほど増え、結局一番書記官のソンタの所へ戻ってきたのは、王様がつぶやいてからちょうど十年たった、グフムフ三十三年三月三日でした。
王様は、机の上にうずたかく積まれた文書に驚いて、ソンタに聞きました。
「ソンタ君、この文書はいったい何なのかね。」
「はい王様、それは十年前、王様が会議を開きたいようなことをぼにょぼにょとつぶやいていましたので、私が会議を開くよう流したものです。」
「こんなに量の多い文書を、読んでいる暇がないわ。ソンタ君、結局結論は何なのだね。」
「はい王様、結論を申し上げますと、会議を開くための会議を開きたいとのことでございます。」
王様はあきれてしまいました。
「会議を開くための会議を、大臣たちと役人たちは、十年も会議を開き続けたというのか。これは何とかせにゃいかんな。」
これを聞いたソンタは、さっそく執務室を出て、新しい文書を作成しました。
王 命
一週間後に会議のあり方を決める会議を開く。準備をするように。
グフムフ三世
グフムフ三年三月三日
果たしてこの文書は、王様のもとへいつ帰ってくるのでしょうかね。
グフムフ王国物語 1
グフムフ王国の会議
グフムフ王国のグフムフ三世は、朝の散歩から帰ると、独り言をつぶやきました。
「お隣のムフムフ王国では、なんでも会議というものがあるらしい。以前には、フムフム共和国でも会議が盛んだと聞いたような気がする。」
それを、一等書記官のソンタが耳にしました。
「ははん、王様は会議をしたいのだな。」
そこでソンタは、さっそくある文書を作成しました。その文書には、次のように書かれていました。
王 命
一週間後に会議を開く。準備をするように。
グフムフ三世
グフムフ三年三月三日
この文書を受け取ったそれぞれの大臣とお役所は、大変な騒ぎになりました。なにしろ、王様が命令を出すなんてことは、前代未聞のことなのですから。
まして、王命文書なんてもの、グフムフ王国開闢(はじまって)以来初めてのことです。
だいたい、大臣やお役所の仕事というのは、お昼寝とおやつの心配だけだったのですから。国民は、王様も大臣もいなくて平気。お役所に行くこともありませんし、お役所がどこにあるのかさえ知りませんでした。すべての人が、平和に楽しく暮らしていたのですから。もっとも、それもこれもグフムフ王のおかげなのですかね。
文書はまず、大臣の中で一番偉い“一番大臣”と、一番役所に届けられました。
一番大臣は、一番役所の役人たちに言いました。
「君たち、知っての通り、王様は会議を開きたいそうだ。何の会議を開くか、君たちで会議を開いて決めてくれたまえ。」
一番役所の役人たちは、額を寄せて話し合いました。話はなかなかまとまらず、もうとうに期限の一週間は過ぎてしまいました。そこで、一番若い男の子が言いました。
「二番役所に、王様ご命令の会議をどうするか決めさせればいいじゃないですか。」
「なるほど、それはいい考えだ。」
さっそく王命文書は、一番役所で話し合ったことを細かく記録した文書を付録にして、二番役所へ回されました。
二番役所では、二番大臣が頭を抱えていました。そして、二番役所の役人たちに向かって、
「おい君たち、知っての通り、王様は会議を開きたいそうだ。何の会議を開くか、君たちで会議を開いて決めてくれたまえ。」と、言いつけました。
賢い読者の皆さんは、もうお分かりですね。こうして、王命は三番役所、四番役所とずうっと回っていき、その都度付録の文書が驚くほど増え、結局一番書記官のソンタの所へ戻ってきたのは、王様がつぶやいてからちょうど十年たった、グフムフ三十三年三月三日でした。
王様は、机の上にうずたかく積まれた文書に驚いて、ソンタに聞きました。
「ソンタ君、この文書はいったい何なのかね。」
「はい王様、それは十年前、王様が会議を開きたいようなことをぼにょぼにょとつぶやいていましたので、私が会議を開くよう流したものです。」
「こんなに量の多い文書を、読んでいる暇がないわ。ソンタ君、結局結論は何なのだね。」
「はい王様、結論を申し上げますと、会議を開くための会議を開きたいとのことでございます。」
王様はあきれてしまいました。
「会議を開くための会議を、大臣たちと役人たちは、十年も会議を開き続けたというのか。これは何とかせにゃいかんな。」
これを聞いたソンタは、さっそく執務室を出て、新しい文書を作成しました。
王 命
一週間後に会議のあり方を決める会議を開く。準備をするように。
グフムフ三世
グフムフ三年三月三日
果たしてこの文書は、王様のもとへいつ帰ってくるのでしょうかね。
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